フローティングドックで作るケーソンを見てきました。(海潟漁港水産流通基盤(特定)整備工事)
さて、今回訪れた現場は桜島がよく見える鹿児島市谷山港。
フローティングドックを使い、ケーソン(コンクリート製の大きな箱)を作っている現場です。
このケーソンは完成後海潟漁港(垂水市)に運び、防波堤の一部として設置するそうです。
フローティングドック(以下FD)とは
その名の通り、海に浮かべたり、沈めたりすることができる「ドック(作業スペース)」です。
私が言葉で説明するより、船の業者さんが写真を交えて説明したページがありますので、詳しく知りたい方はそちらをご覧ください。
今回の現場で使われていたのは株式会社山本精工所の「大山650-34」。
なお、海潟漁港(垂水市)で使うケーソンをなぜここで作っているのか?というと、
この港は海潟漁港の対岸にあり比較的近いこと、この湾内は波が非常に安定していることなどが挙げられるそうです。
いざフローティングドックへ
左側に人が数人いるのが見えますか?人と比べると、FDの大きさがよくわかると思います。
なお、このFDの青い部分は高さ20m程度。6階建てのビルくらいあります。大きい!
今回は着岸していますが、現場が変わるとタグボートに引っ張られて移動します。
FDに乗り込むと大きな足場が組まれていました。
この足場で型枠を組み、コンクリートを打設していくことでケーソンを作るそうです。
完成時のケーソンの大きさは、横15m×高さ12.9m×奥行6.6m。それが2つ並べて作られています。
上から見るとこのようになります。
ケーソンは完成すると、中が空洞のコンクリートの箱になります。
そして、FDを沈めるとケーソンが海に浮かぶので、それを据付業者に引き渡すところまでが南生建設の今回の仕事とのこと。
ケーソンのコンクリート打設は2021年中には終わり、2022年早々据付業者に引き渡すそうです。
完成後、FDはどのように沈み、据付業者はケーソンをどのように運んでいくのか気になります。
なお、最終的にケーソンは据付の際に「中詰材」を空洞部分に詰めることで安定させるそうです。
今回せっかくFDに乗ったので艦上の様子も載せますね。
船を係留するための太いロープと巻き。陸上のボラード(係留柱)につないでいます。
足場を組むときなどに使うクレーン。
こちらは青い部分の「船内」。今回特別にいれさせていただきました。さまざまなケーブルが置かれています。
私は今まで防波堤というものはその場でコンクリートを打設し作っているものだと思っていました。このように離れた場所で作って運んでいたのですね。
防波堤ってあまり目立ちませんが、このようにケーソンをひとつひとつ作り、運び作られていることを考えるとすごい手間がかかっています。海に行ったらいままで当たり前に見ていた景色も少し見る目が変わりそうです。