住宅密集地に築く紫原第三2号配水池
今回訪れた現場は、鹿児島市紫原にある紫原第三配水池です。
写真中央に建つコンクリートタンクは昭和46年に造られた現役の配水池(貯水量:3000㎥)です。この配水池は今も下流にある住宅に水を供給しています。今後も安定した配水を行うため、新しいタンク(2号 貯水量:1000㎥)を造るのが今回の工事になります。
■民家がひしめく現場
元々の配水池が造られた際(昭和46年ごろ)は、周りに住宅もほとんどなかったそうです。
それから50数年が経ち、今や現場の周りは民家がひしめく住宅密集地。道は普通車が離合するのもやっとという狭さ。そういう中で、大型重機や多くの建設資材を運び込むのは大変だったそうです。
写真を見ていただくとわかるように、クレーン車の横幅と道の幅が同じくらいです。クレーン車は長さもあることから道を曲がる際にも随分と苦労したのだとか。
また、周りに民家があるため、「騒音」や「埃」が出ないよう常に細心の注意を払って仕事をしているそうです。
■新造した紫原第三2号配水池
今回新しく作った配水タンク(紫原第三2号配水池)はステンレス製。
ステンレスタンク建造の様子です。
■生きた配管を繋ぐ工事
現場では、皆さん真剣な面持ちで測量に臨んでいました。
今回の工事を見学し、何もないところにインフラを新築するだけでなく、既存のインフラを維持することの難しさも感じました。日本の水道インフラの多くは高度成長期に作られており、「紫原第三配水池」同様に老朽化の修復工事が必要な水道施設は全国に多々あります。私の住む家のすぐそばでも同じような工事が行われているかも知れません。
「蛇口を捻ればいつでも水が出てくる」。そんな生活の″当たり前″を人知れず支えてくれている技術者の方々に改めて感謝します。