薩摩半島の往来をもっと便利に!指宿有料道路(II期)線形改良工事(R5−2工区)
今回見学したのは、南薩と鹿児島市を結ぶ指宿有料道路(指宿スカイライン)の知覧ICから車で南へ5分ほどの位置にある「線形改良(曲がりくねった道を直線道路にする)工事」の現場です。
写真の手前部分が今回の工事現場になります。
写真を見ていただくとお分かりいただけると思うのですが、この付近の道路はカーブが連続しているため見通しが悪く、運転するドライバーが疲れる要因にもなります。
そこで指宿有料道路は段階的にカーブを減らす工事を行っています。今回の現場もそのひとつ。
見ていただくとわかる通り、ここには大きなカーブがあります。
そこで今後橋を据え付け、ここを直線道路にするそうです。
しかし、橋を据え付けるにもここは谷のような地形。
橋を据え付けるためにはしっかりとした地盤が必要です。
まずは木々を伐採し法面を削って作業ヤードを作り、次に地面を掘り下げ橋台を設置する場所を作ります。
山を掘り下げるのは二台のバックホー(1台は岩を砕くブレーカー)。
この現場は「パンウォール工法」で行われており、約1.2m(パネル1枚分)掘ったら壁にプレキャストパネルを据え付け壁を安定させ、また掘る。という作業の繰り返し。
「掘る作業」と、「壁を作る作業」はだいたい1週間交代で行われているとのことでした。
最終的には12mほど地盤を掘り下げてから橋台を据え付けるそうです。
壁には地盤を安定させるため5~8mほどの長いボルトが入っており、また壁のうしろ側にコンクリートを流しこみ固めることで壁を安定させています。
作業ヤードでは、ひっきりなしにコンクリートをこねて現場に供給していました。
またこの日は発注者による試験が行われており、挿入したボルトに引っ張りの力を加え、ボルトが動くことがないか確認していました。擁壁がきちんと安定しているか確認する作業なのでとても重要です。
このように擁壁を作りながら徐々に作業現場を掘り下げているそうです。
■濃霧が発生しやすい現場
この写真はある日の現場です。
現場は有料道路に面した位置にあり車はひっきりなしに通ります(有料道路なので車のスピードもおおむね速い)。霧でこれだけ見通しが悪いと作業に支障が出ますし、車を運転するドライバーにも作業員と接触するリスクが生まれます。
そのため濃霧が発生した際は、作業を「中断ないしは中止」することもあるそうです。降雨や大風と違い濃霧はいつ発生するかわかりづらく作業の思わぬ番狂せとなることも。
自然環境が相手だと仕方ないとはいえ、作業のスケジュール管理が大変なロケーションです。
現場のみなさま
この日は南生建設2名のほか、擁壁を作る方々が工事に参加していました。
翌週には地盤を掘削する方々にバトンタッチするそうです。
地盤を掘り終えたら橋台の据付があるためまだ先は長そうですが、どうかご安全に!