大型船舶も入港できる国際物流ターミナルを目指す!川内港(唐浜地区)航路 泊地浚渫工事
今回私が訪れたのは、川内港唐浜地区で行われている浚渫工事の現場です。
川内港は、令和3年度より大型船舶が入港できる国際物流ターミナルの整備を進めています。(詳細資料:国交省川内港 唐浜地区 国際物流ターミナル整備事業PDF )
しかし、現在の川内港は水深が浅く大型船舶が入港できないため、今回南生建設は泊地(はくち)の一部を水深-10.0mまで掘り下げる工事を行なっています。
こちらが今回浚渫(しゅんせつ)をおこなう船です。一度に15㎥前後を浚渫できる大型グラブバケットを備えており、今回の工事のために長崎県佐世保から来ているそうです。
「浚渫とはどういう作業なのか」を解説した動画を全国浚渫業協会が公開しています。
今回の現場の映像ではありませんが、作業自体は似たものなので動きを把握していただけると思います。
ここで船の操縦を行ったり、進捗状況をリアルタイムに確認できます。
蛇足ですが、浚渫船の乗組員の方々は工事中この船で暮らし、工事が終わるまで陸に上がらないこともあるそうです。「1〜2週間船から降りないことはよくある」とのことでした。逃げ場のない環境なので、人間力の高い人たちでないと務まらない仕事です。
話を戻しまして、今回の工事は上記範囲を約-10.0m(約20,000㎥)ほど掘り下げます。
海底から土砂を浚渫した際の写真です。
どれくらい掘り、海底の状態はどうなっているのかクレーン操作員やコントロールルームでも把握しているのですが、バケットが海から出た直後に人力でも計測していました。このようにダブルチェックをすることで間違えがないよう作業を進めています。
ちなみに、万が一にも要件を満たさないことがないよう、少し多めに浚渫しているそうです。
海底から掘った浚渫土砂は、土運船に乗せて仮置き場へと移します。
浚渫土砂を陸上げしている様子です。
3台のバックホーを使い土砂を整え、トラックに乗せ、次々と本来の土砂置き場へと土砂を運んでいました。そして、この土砂は今後港湾の整備に使われます。
工事は順調に進み、南生建設の工事は来月にも終了するそうです。事故のないよう、どうかご安全に。
なお、このターミナルが完成すると、川内市だけでなく県内の林業を中心に産業が活性化されます。
この港全体の工事が終わるのはあと数年かかるようですが完成が待ち遠しいですね。
この現場の南生建設のみなさま
現場所長の鈴木さん(右)とは山川漁港の現場以来4年ぶりの再会。
お元気そうで何よりでした。またどこかの海洋土木の現場でお会いしたいです!